あなたが受けた精神的苦痛に対して、浮気相手に慰謝料請求をするのは当然の権利です。
浮気相手に対しての慰謝料請求
配偶者と浮気相手の不貞行為の証拠が取得できれば、配偶者と浮気相手の双方に対して慰謝料の請求ができます。
話し合いによる慰謝料請求
もし、浮気相手との話し合いの場をもてるようでしたら直接会って、慰謝料の金額や支払方法などを話し合いで取り決めます。
その際、あらかじめ「合意書」や「誓約書」といった慰謝料の支払方法などを記載した文書を作成しておき、その場で両者が署名捺印し、証拠として保管しておきます。
内容証明郵便での慰謝料請求
浮気相手の顔も見たくないし、直接会って話し合いなんてとんでもないということでしたら、内容証明郵便で慰謝料を請求します。内容証明郵便の作成にあたっては、できれば法律の専門家に依頼したほうが有効であり、間違いがありません。
調停を申し立てる
内容証明郵便に対して相手からの返事がない場合や、慰謝料の金額で折り合いがつかない場合などは簡易裁判所に調停を申し立てます。
調停は裁判所が仲介に入り、双方の言い分を聞いたうえで解決を図る制度であり、申し立ての手続きはそれほど難しくはないので、弁護士へ依頼しなくても自分ですることができます。
裁判を起こす
浮気相手に対しては調停を経ないでいきなり訴訟を提起することも可能です。
訴訟手続きは自分でもすることができますが、相手側が弁護士に依頼する可能性もありますので、弁護士を立てた方が得策であると思います。
離婚の慰謝料とは
離婚における慰謝料は、不貞または暴力、悪意の遺棄などの有責不法行為によって離婚原因を作った側が、それらによって精神的苦痛を負った配偶者に対して支払う損害賠償のことです。
したがって、「配偶者に不貞な行為があったとき」、「配偶者から悪意で遺棄されたとき」など民法770条に定められた法定離婚原因がなく、円満な協議離婚の場合には慰謝料の請求はできません。
なお、慰謝料請求の法律上の根拠として民法で次のように定められています。
民法709条
故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。
民法710条
他人の身体、自由若しくは名誉を侵害した場合又は他人の財産権を侵害した場合のいずれであるかを問わず、前条の規定により損害賠償の責任を負う者は、財産以外の損害に対しても、その賠償をしなければならない。
慰謝料は有責不法行為(不貞、暴力、悪意の遺棄など)によって精神的苦痛を負った側が請求できるものであり、性格の不一致や信仰上の対立、家族親族間の折合いが悪いといった場合などは、どちらか一方に責任があるという判断は難しいため、双方の責任の程度の割合によって慰謝料が決まります。
離婚の原因をはっきりさせ、慰謝料を請求する側と支払う側の立場をはっきりさせることが重要です。
慰謝料の請求など面倒なのでしないと考える方もいらっしゃるでしょうが、離婚後の経済生活を見据えるとやはり請求するのが賢明と思われます。