「夫や妻の昔の浮気がどうしても許せない」「慰謝料を請求したい」という話はよく耳にします。
浮気された当時は本人も深く反省したからとか、家庭に波風を立てたくないからなどの理由で慰謝料請求を見送ったが、裏切られた悲しみや怒りは忘れられるものではなく、ふとしたきっかけで過去の浮気を許せないという気持ちが沸いてくるそうです。
もちろん、浮気した配偶者と浮気相手には慰謝料を請求できますが、過去の浮気の場合には気を付けなければならない点があります。
証拠の取得が難しい
浮気の慰謝料を請求するためには不貞行為の証拠が必要です。
浮気があった当時にしっかりと証拠を取っていれば何の問題もありませんが、数年後に慌てて浮気の証拠を手に入れようとしても無理というものです。
どんなに優秀な探偵社でも、タイムスリップして当時の浮気の証拠を撮影することなどできません。
できることと言えば、当時使っていた携帯電話から怪しいメールのやりとりを探したり、押し入れの中から浮気相手とのツーショット写真を掘り出したりすることくらいでしょうが、運良くそれらが見つかったとしても浮気の決定的証拠とはならないのが現実です。
時効に注意
浮気の慰謝料は、民法で言うところの不法行為にもとづく損害賠償請求権ですので、この法律に則って時効が適用されます。
浮気の事実を知ったときから3年、浮気が始まったときから20年を過ぎると慰謝料を請求できる権利が消滅してしまいます。
諸々の事情で請求をためらっている人は、いざという時すでに時効を迎えていたということがないよう常に頭の片隅で計算しておきましょう。
過去の浮気を追及することは、浮気した側からすれば、今さら蒸し返すのかと逆ギレすらしかねませんし、離婚問題に発展するかもしれません。
しかし、いつまでも配偶者に対する不信感を抱えたまま偽りの夫婦を続けるよりも、慰謝料請求することで、今一度配偶者に自分の犯した過ちを自覚してもらい、お互いのこれからを真剣に話し合うのも1つの方法ではないでしょうか。