フォーチュン広島の探偵白書:自分のことは語らない彼氏?

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気難しい彼氏-3-

調査対象者(以下マルタイと呼称)は本案件の依頼者様にとってはお嬢さんが結婚を前提としてお付き合いをされている交際相手でした。

依頼者様である山田さん(仮名・55歳)は、初めてマルタイに会って話をしてみて、強く不信感を抱いたそうです。
というのも、山田さんからマルタイへ何か話し掛けてもつっけんどんな態度をとったり、酒の晩酌に付き合うように軽く誘いをかけても『僕はいいです。』とすげなく断ったりし、そして、山田さんが不信を抱いた最大の点は彼から自分の事を積極的にアピールしようとする姿勢が全く見られなかった事でした。

性格的にぶっきらぼうで控えめと言ってしまえばそれまでですが、山田さんにしてみれば、大事な一人娘を嫁がせるにあたって、マルタイの態度がとても不安に思えてならなかった為、当社に調査を依頼されたという次第です。

私はマルタイが山田さんに渡した身上書を元に、それに書かれた事柄を一つ一つ事実確認する為、聞き込みを行うことにしました。
まず、マルタイは幼少期を福山市で過ごしていたのですが、本籍地が広島市内であったことや、その後一旦他県へ移り、大学生活を送った京都においても3度住所を変更しているという状態でした。

しかし、この点についての不安は聞き込みによってすぐに取り除かれました。
前者の本籍地と住所地が異なるという事は世間一般によくある話で、マルタイの父親にしてもただ単に母親と結婚した時にその両親(マルタイにとっての祖父母)と同居していた為、そこで新戸籍を作ってその後も変更していないだけの話でした。

一旦他県へ出ていたのも、父親がいわゆる”転勤族”であった為、それに伴ってマルタイを含む家族全員が父親について転々としていただけの話でした。
また、大学生活を送った京都での三度にわたる住所変更については、最初の住所地が他見から入学してきた新入生が入る学生寮であり、これは一年間という入居期限があった為であり、そして2度目3度目の引越しについても、特別不穏な理由による引越しいうものではありませんでした。