先日、ある弁護士さんからの紹介で調査依頼を受けました。
お嬢様と共に当社を訪れた依頼者様は、ご主人の浮気癖に昔から悩まされているとの事で、話を聞いていると本当に気の毒な事案でした。
その為、調査料金を多少低目に設定して提示したところ、依頼者様親子は顔を見合わせて「きちんとした調査はしてもらえるのでしょうか?」「報告書なんかも、きちんとした物が頂けるのでしょうか?」と不安顔です。
その時は私も内心、いやに疑い深い人だなと思いながら、調査の具体的な手法を説明したり、当社の調査報告書のサンプルを見て頂いたりして依頼者様の懸念を拭おうとしました。
後で分かった事ですが、依頼者様は当社へ相談に来られる以前に別の探偵社へ同種の調査を依頼されており、その後訪ねた弁護士の先生からその探偵社は少し問題がある所なので、調査を実施する前に断った方が良いとのアドバイスを受け、慌てて調査のキャンセルを申し入れたという経緯があったのです。
そして、私が調査料金を提示した際に依頼者様親子の顔が不安に曇ったのは、私が提示した金額が、断りを入れた探偵社との契約金額の半分にしか満たない額だったからなのです。
話は戻りますが、依頼者様がキャンセルの電話を探偵社へ入れた際に、「既に調査に着手した為、一切返金はできない」との返答をその探偵社から受けたそうです。
契約書には確かに調査企画・待機・準備、下見調査も着手とみなすとあり、また調査着手後は一切の返金を受けつけないと明記されてありました。
加えてその契約書には調査の報告に関しても、「場合によっては電話やFAX、口頭で報告を済ます」との文面が記されていました。どう考えてもなんともお粗末で依頼者側に不利で悪質な契約内容です。
ちなみに調査がキャンセルになった場合、キャンセル料として契約金額の20%を頂くのがこの業界の通例となっています。ですが、この探偵社は契約日当日にすぐ調査に着手したとの事で(ご主人の会社の下見に行ったとの事ですが、証拠映像などもありません)、一切の返金をしないと言い張りました。
※ちなみに弊社は前日までのキャンセルの場合はキャンセル料は3万円。当日でも5万円とさせていただいております。
契約金額には経費10万円も計上されているのですが、この探偵社は経費分に関しても返金の意思がありませんでした。結局、依頼者様は同探偵社を相手に訴訟を起こし、調査料金の返還を求める事にされました。
その後、当社で受けた調査の方は無事成功して浮気の証拠も収集完了し、現在依頼者様は離婚調停と探偵社の訴訟とを同時に進めておられるところです。当社の調査金額は契約時に提示した通り、同探偵社の調査金額のちょうど半分でおさまりました。
探偵社と一口に言っても色々な会社があり、なかには同業の私達から見ると目を疑うような会社もあります。ですが、私達が同業他社さんを詐欺と決め付ける事は難しい為、この事例については、皆さんの判断を仰ぎたいと思います。探偵社選びはくれぐれも慎重に。