現代生活に大きな変化をもたらした物の1つとして、パソコンの普及によるインターネットが上げられるのではないでしょうか。
インターネットを使って様々な事柄を調べたり、家に居ながらあらゆる買い物ができたり、世界中の人と交流する事ができるなど、その利便性が高まっていく反面、夫婦の仲を引き裂き、罪のない子供たちまでも巻き込んで、家族を崩壊させる一因となっているケースが増えているのです。
今回はこのようなネットの中で目にした情報を使い、まんまと離婚訴訟に持ち込んだ事例をご紹介しましょう。
倦怠期に入り、隙間風が吹き出した夫婦にとって、今では簡単に出会い系サイトなどを利用して夫も妻も浮気ができ、それが原因で離婚の危機を迎えてしまいます。さらに追い討ちを掛けるようにネットでは、「離婚が確実にできる方法」とか、「離婚を有利に進めるノウハウ」などというような情報が簡単に手に入ります。
今回の依頼者様のT氏は27歳。結婚4年目で3歳と2歳の二児の父親です。ご相談は次のような内容でした。
「昨日、私が家に帰ると、妻も子供も居らず、妻の携帯も電源が入っていない状態で連絡がつきません。思いつく所はすべて当たりましたが、まったく手掛かりがつかめません。もちろん、妻の実家にも連絡しましたが、向こうの両親もびっくりされ、一緒に探してもらっている状態です。何かの事件に巻き込まれた可能性が高いと思い、深夜に警察署へ届けましたが、今の時点では警察として行方を捜す事はできないと言われ、探偵社にでも頼んでみたらとアドバイスされたので、一睡も出来ず相談に来ました。」ということでした。
私が詳しい話をお尋ねしたところ、「家出だとしたら、まったくその理由に心当たりがないのです。誓ってもいいのですが、妻には一度足りとも手を上げた事はありません。これまで些細な喧嘩はごくたまにありましたが、いつも自分の方が言い負かされていましたので、家出の原因になるような事は絶対にありません。最近はその喧嘩もありませんでした。」と放心したように話されました。
その後も要点をお尋ねしたところ、ご夫妻は小さなお子さん達を保育園に預けて共稼ぎをしておられ、奥さんがお子さん達の送り迎えをされていたという事でした。話の中で私が引っ掛かりを覚えた点がありました。それは、この一月前から奥さんが残業などで遅くなる事が増え、この頃はお子さん達の帰りのお迎えはTさんがされていたそうですが、昨日は久し振りに奥さんが迎えに行き、その後、行方が分からない状況になっているということです。もちろん、事件性も否定はできませんが、それよりは奥さんの何らかの意志による行動と考えた方が、確率は高いと思われました。その動機になりそうな事実も判明しないまま、依頼をお受けする事となりました。
ところが、調査に着手して間もなく、驚きの事実が浮かび上がりました。