夫の浮気の多くが、性欲を満たすためだけのものと言えますが、なかには相手を本気で愛し、心の充実を求める男性もいます。
よくある酒に酔っ払ってとか、その場の雰囲気に流されてなどという浮気は、性欲を抑えられず突っ走ったもので、熱しやすく冷めやすくもあります。逆に、時間をかけて相手のことを好きになった浮気では、恋愛感情が築かれているため、心も体も妻から離れてしまった状態と言えます。
性欲と愛情とでは浮気の原動力が違いますので、対応策もそれぞれ異なります。
■一度きりの浮気
夫の浮気が発覚するが、一夜限りの出来事のようであり、その後は浮気している様子が見られない場合の対策としては、夫が毎日決まった時間に帰宅し、家庭内でのコミュニケーションもきちんと取れているのであれば、浮気のことには目をつぶっておくのが最善の策かもしれません。夫も家族のことを第一に思っていれば、一時の性欲に負けて後先考えず突っ走ることはないでしょう。ただし、念のため夫の行動には注意を払っておき、万が一浮気を続けているようなら見過ごすことはできませんから、妻の側から行動を起こす必要があります。
その場の雰囲気に流されて浮気し、以後もずるずると関係を続けているという優柔不断な性格の夫であれば、「もう耐えられない! 子供を連れて実家に帰る」と直情的な発言をしてみたり、逆に落ち込んだ素振りをして夫の気を引いてみたり、いつも以上に優しく接してみたりなど、妻や子供を大切にしている夫であれば、心の奥底では浮気したことを後悔しているはずなので、浮気した夫の罪悪感に訴えかけてみるのが効果的だと思われます。
■のめり込んだ浮気
単発の浮気と比べて厄介なのは「本気」の浮気です。夫の気持ちは、妻から浮気相手へと移ってしまっているのですから、先に述べた直情的な発言や気を引くような行動は効果がなく、それどころか夫は離婚を視野に入れている場合もありますので、夫の思うツボとなりかねません。
もともとは妻との仲も良く、子供も可愛がっていた夫が浮気に溺れるのには、何らかの要因があるはずなので、そこをきちんと把握して解決の糸口を見出す必要があります。
まずは、夫婦間のコミュニケーションはどうでしょうか?夫のことを「この浮気者!」といった目でしか見られなくなっていませんか?もちろん、浮気をしている夫に非があることは当然ですが、それをいったん横へ置き、冷静に振り返って見てください。
帰宅しても妻が笑顔ひとつ見せないようでは、夫は家庭からどんどん離れてしまいます。浮気の事実を知ったうえで明るく振る舞うというのは大変辛いことですが、冷えきった家庭で過ごさなければならない子供たちはもっと辛いのではないでしょうか。あなたが家族を守るという使命を胸に秘め、コミュニケーションの回復に努めてください。
また、浮気相手に夢中でも子供のことは大切に思っている夫もいますので、そこの情に訴え、本来の夫に戻るよう働きかけることも大事です。夫婦の会話の中に意識して子供の話題を盛り込み、そこからできるだけ家族で一緒に過ごす時間を作っていけば、家庭への愛情を取り戻してくれるかもしれません。
残念なことにこのような妻の努力も通じず、浮気を続ける夫が多いのも現実です。
そして、浮気する夫は大抵がお金を浪費して家計を逼迫させます。円満な家庭生活を奪われ、妻としての尊厳を奪われ、そのうえお金も奪われてしまっては決して黙認できません。
だからといって、何も準備がないまま夫に詰め寄ってもシラを切られるか逆ギレされるのが関の山でしょう。
やはり、婚姻費用を求めるにも慰謝料を請求するにも浮気の証拠が必要です。別居も離婚も自身の決断ですが、それがベストな状態で実現するように浮気の確実な証拠を手に入れてください。