平穏な結婚生活を浮気によって壊した夫(妻)や浮気相手からは、少しでも多くの慰謝料を支払ってもらいたいと考えるのは当然の心情だと思います。
しかし実際には、こちらが望む額の慰謝料が支払われることは稀であり、婚姻期間や、離婚するかしないか、子供の有無など様々な事情を考慮して慰謝料の額は決まりますので、それを見越したうえで相場よりも少し高めに請求するのが定石です。
ただ、多額の慰謝料を手に入れるよりも、早く問題を解決して楽になりたいと思う人は、あらかじめ相手が支払えるであろう金額を請求します。
ところが、相手が請求をまったく無視したり、事実を認めず反省するどころか逆ギレされたりしたら、こちらもとことん争おうという気持ちになるでしょう。
そういった場合、一度請求してしまった慰謝料の額を増やすことができるのかという疑問が浮かびますが、請求金額を変更することは可能です。
ただし、相手との示談で合意書を交わし、その合意書で取り決めたもの以外にお互いの債権債務がないことを確認した清算条項も入っていれば、変更できませんので、合意書を作成する段階で慰謝料の金額についてよく考慮する必要があります。
逆に、慰謝料を請求された側の多くが減額を望みます。好き勝手に浮気しておいて随分と虫のイイ話ではあります
が、浮気後も夫婦は離婚しない場合、相手から執拗に誘われて浮気に至った場合、請求された慰謝料を払えるだけの収入がない場合などは、減額の対象となりますので、慰謝料を請求する側はこのような要素も頭に入れたうえで金額を決めなければなりません。