テレビ番組や雑誌で「どこからが浮気?」というアンケートをよく目にします。答えは「2人きりで食事したら」「手をつないだら」「キスをしたら」「Hしたら」など様々ですが、法律上は浮気・不倫のことを不貞行為と呼んで、「配偶者のある者が、その自由意志に基づいて配偶者以外の者と性的関係を持つこと」だと定義されています。したがって、いくら夫がよその女性と食事しようがキスしようが、不貞行為とは認められません。
次のようなケースは不貞行為と認められるのでしょうか
酒に酔った勢いで一度だけ肉体関係を持ってしまった
「酔っ払っていたから」「飲み過ぎて記憶がない」という言い訳は通用しません。たとえ一度でも、既婚者が他の異性と肉体関係を持てば、不貞行為に該当します。
ただし、一度きりの不貞行為の場合、本人が深く反省し、夫婦関係の修復に努めているなら、離婚は認められないケースが多々あります。
夫の風俗通い
「風俗は遊びだから浮気じゃない」と言い張る男性もいますが、たとえお金を支払った客として受けた性的サービスだとしても、性交渉があれば不貞行為となります。ただし、仕事として行っている風俗店の女性に対して慰謝料の請求はできません。
プラトニックな不倫
何だか矛盾を感じる言葉ではありますが、不貞行為の定義に当てはめれば該当しません。ただし、常識的な交際の範囲を超え、夫婦関係の平穏を著しく侵害するものであれば責任を問われる場合もあり、実際に交際相手の女性に慰謝料の支払いを命じた判例もあります。
別居後の浮気
勝手に家を出て行った配偶者が浮気していたという話はよくあります。「別居すれば夫婦関係は終わりだ」「別居した後に交際しても浮気にはならない」という都合の良い解釈をしている人がいるようです。たしかに、婚姻関係破綻後の交際は不貞行為と認められませんが、別居=婚姻関係の破綻ではありません。したがって、別居後に異性と肉体関係を持てば不貞行為に該当します。
参考:不貞行為とは結局どこから?浮気との違い・具体的な行為を解説|ベンナビ離婚(旧:離婚弁護士ナビ)