フォーチュン広島の探偵白書:親権者にふさわしいの夫・妻?

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親権をめぐる闘い-4-

依頼者様はわらにもすがる思いでしたから、即答で私の提案を了解されました。

そして後日、浮気相手男性との交渉が始まりました。初めての電話では、取り付く島もなく電話を切られてしまいましたが、その後男性一人だけの仕事場に直接出向いたところ、警戒しながらも室内に通してくれました。

想像したとおり、端から本音を語るわけもなく、「彼女とは今、まったくお付き合いしていない」というところから始まりました。
依頼者様の話からも2人の関係が今も継続している事は明らかでしたので、「嘘はやめましょう。こちらは新たな証拠を手にして、話し合いに来ています。訴訟する気なら前と同じように最初から内容証明を出していますよ。もし慰謝料を請求すれば、前回以上の金額になるのは分かりますよね。でも、今回は慰謝料の事ではなく、別の用件での話し合いがしたいので、連絡を待っています」と、こちらの要点だけを伝えて、初回の交渉は終わりました。

その後、1週間ほど経って男性から連絡がありました。
「そちらの話を一応聞いておきたい」という事でした。翌日、さっそく男性の仕事場を訪ねました。男性は前回とは打って変わり積極的に話し始め、「自分たちの今の交際は純粋なもので、後ろ指を差される関係ではない」という主張を何度も繰り返しました。

そこで私が、「今回のT君(依頼者様)の意向を友達として伝えます。もし、あなたがT君の望む事をかなえていただけるなら、あなたに請求できる慰謝料を放棄してもよいと言っています」と告げ、男性の反応をみると、明らかに警戒心が増しました。
「T君は、あなた方の関係を問題にしているのではなく、離婚にも応じる意向です。

ただし、あなたが彼女を説き伏せて子供たちをT君のもとへ返し、親権を渡すという事が条件です。彼女と結婚するのに、あなたに懐かない子供は要らないでしょう。ほんとは邪魔な存在でしょう」とたたみかけると、男性は条件が子供の事であるとは意外だったらしく、戸惑いの表情を浮かべ、「少し時間が欲しい」と言い、後日また話し合いする日にちを決めて終わりました。

それからさらに1週間後、再び男性から連絡があり、「慰謝料の放棄と、離婚の承諾をきちんと誓約書にしてくれるなら、なんとか彼女と話し合いをして説得してみるから、それまで待って欲しい。」という返事が出てきました。

その後、押したり引いたりの駆け引きがありましたが、1ヶ月後に奥さんが離婚調停を取り下げ、その2ヵ月後にはようやく親権・監護権とも依頼者様がとるという事で、奥さんと折り合い、解決が付きました。奥さんとの離婚に際しては事細かに協議し、すべてを公正証書にしました。
また、男性への慰謝料請求権の放棄も、男性の希望で公正証書を作成し、すべては一件落着となりました。このような依頼者様への事後サポートも私たちの大事な業務なのです。