Tさんの奥さん(以後A子さんと呼称します)の突然の失踪。幼い子ども2人を連れ、家を出た理由はまったく見当もつかず、失踪から3日目、私たちの行方探しが始まりました。
まずは、A子さんの勤め先である介護施設に手掛かりを求めて訪問しました。
A子さんはパートで週4~6日間勤務しており。失踪の翌日に、Tさんが電話でA子さんの出勤確認をしたところ、「今日は出ておられません。」とそっけない応対で電話を切られてしまったという事でしたが、私たちが介護施設の事務所を訪ねた際も、「今日はお休みです。」という返事のみでした。「じゃあ明日、書類を持ってまた来ますが、明日は普通に出られますか?」と聞いて見ると、「明日は出勤予定ですから、来られると思いますが。」という事務的な返事が返ってきました。
一連の対応に不審を抱いた為、タイミングを見計らい入所者の方に尋ねたところ、「昨日、A子さん来ていたよ。昼間にリハビリ補助して貰ったからね。」との返答をいただきました。
心のどこかで何かの間違いなのではと思いながらも、A子さんが今も勤務先に姿を現わしている可能性が出てきた為、A子さんが出勤しているかどうかを監視により確認したところ、車で通勤しているA子さんの姿を捉えました。
後の調査で、A子さんは家を出る数週間前に中古の軽自動車を購入していた事が判明しました。
そして、A子さんの居場所を突き止める為、退勤時の尾行を行ないましたが、A子さんは尾行者を予測しているかのように警戒した運転で左折や右折、Uターンを繰り返しました。なんとか食らいついて尾行した末にたどり着いた先は、A子さんの実家でした。Tさんが連絡した際、向こうの両親も驚き、捜索を手伝ってくれているはずなのですが。
報告を受けたTさんも絶句されました。