フォーチュン広島の探偵白書:統合失調症のケアや対応とは

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認知症と統合失調症(後編)

「まわりの人間から盗聴されている」「集団ストーカーの被害に遭っている」「電磁波の攻撃に遭っている」と、私たち探偵社に相談電話をされてくる方の中には「統合失調症」で苦しんでいる方が多くいます。

私たちはその原因が病気からくる症状であることを理解してからは、少しずつ統合失調症に関して勉強し、医師の方からもレクチャーを受け、その種の依頼にはその方の家族を含めて、治療を開始してもらうように説得する形に変化してきました。

統合失調症を患う方は決して少なくありません。平成14年までは精神分裂病と呼ばれていた精神病の一種であり、幻覚や妄想などのさまざまな症状があります。
昔から日本の社会ではその病気に対して偏見があり、身内にそうした人間が出てくると、なるべく外に出さないようにし、とにかくひたすら世間の目から隠す傾向がありました。

統合失調症も重症化してしまうと、治療も大変のようです。しかし、症状の出始めの初期または軽症時に治療を開始すれば、症状の回復ができるようになっているようです。ただ問題は以前にも申し上げたように、この病気に関しては、本人が自分自身病気だとは絶対に思わないことです。

家族も身内のことで「少し変かな」程度にしか思わない、もしくは気付いていたとしても、そう思いたくない家族感情があるため、どうしても対応が遅くなり、明らかな症状が出始めてようやく対処することになります。
身内に対して統合失調症を疑うのは本当に辛いものです。ですから、そこに私たちがお手伝いできる役割があるのです。私たちは、統合失調症を患う方々と調査依頼という相談を通して直にお話をすることにより、症状を確認できます。身内ではないので躊躇しないで判断できるのです。

私たちの連絡を受けたご家族は、その対応に様々な差異がありますが、概して「少し変かな」とか「うすうす、おかしいな」と感じてはいたと言われます。その後は私たちがご紹介する心療内科や精神科の先生を、患者様本人と一緒に訪ねられ、ほとんどの方が治療に入っておられます。おおむね治療で非常に良い結果が生まれているようです。

一方、認知症は脳神経科に属し、脳や身体の疾患を原因として、記憶・判断力などの障害が起こり、普通の社会生活が営めなくなった状態と定義されている病気です。
したがって精神科に属する統合失調症とは全く違う病気なのです。
よく使われる例えとして、昨日食べた食事の内容を思い出せないのが、自然な老化による物忘れであり、昨日食事したこと自体を忘れてしまうのが認知症であると言われます。

前回に述べたAさんの場合は、話の内容を忘れないようにAさんの目の前で大きな字体でメモ書きし、Aさんの後ろにある戸棚に張り付けて、次の話をしていたところ、後ろのそのメモ書きを見つけ「あら、誰がいつの間にこんないたずらをしたのかしら」という具合で、数分前の会話すら記憶にとどめることができない状況にありました。

行政は基本的には、Aさん宅から出される悪臭に対して、Aさんが同意しないことには何もできないのです。室内のゴミを処理するにも、Aさんの同意を得て有料で作業しなければなりません。

このAさんの認知症に端を発した悪臭問題は、長寿国日本でますます増加する問題の1つでしょう。