離婚届の不受理について

離婚届には夫婦両者の署名と押印が必要ですので、こっそりと配偶者の名前を書きハンコを押して離婚届を役所へ出せば、有印私文書偽造・行使(それぞれ3ヶ月以上5年以下の懲役)という犯罪になります。さらには戸籍に嘘の記載をさせたことで公正証書原本不実記載の罪(5年以下の懲役または50万円以下の罰金)となります。

ところが、偽りの離婚届でも記入漏れがなければ、役所ではそれ以上の確認はできないために受理されてしまうのが現実です。これを防ぐためには「離婚届の不受理申出」というものをしなければなりません。手続きは専用書類に必要事項を記入して本籍地の役場へ提出しますが、現住所の役場でも可能です。なお、費用は掛かりません。

以前はこの不受理申出に有効期限があり、半年ごとに更新しなければなりませんでしたが、法律の改正により平成20年5月以降の届出からは無期限となりました。

もしも気付かないうちに勝手に離婚届が出されていた場合、離婚と記載された戸籍を訂正するには、まず家庭裁判所に「協議離婚無効確認の調停」を申し立てなければなりません。しかし調停では、嘘の離婚届を出した側の意見も聴いたうえでお互いの合意が認められなければ不成立となりますので、その後は訴訟を起こすことができます。お互いの主張や証拠により離婚の無効が確認されれば、裁判の確定から1ヶ月以内に判決書の謄本を添えて役場へ戸籍の訂正を申請します。

いったん離婚届が受理されてしまうと、離婚届の不受理申出はできませんので、上述のような面倒な手続きをとらなければなりません。したがって、配偶者から離婚を迫られた場合は、早めに不受理の申出をしておいた方が良いでしょう。